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小代焼窯跡群<県指定>

2007年7月9日

 

古小代の里公園には、熊本県指定の文化財である小代焼窯跡群「瓶焼窯跡」・「瀬上窯跡」があります。どちらも自然の傾斜地を利用した連房式登り窯で、そのままの形で保存しています。
小代(岱)焼は、江戸時代初期の寛永9年(1632年)、細川忠利公が肥後に入国の際、豊前国上野(あがの)からともに移り住んだ陶工によって始められたものです。
その発祥の地とも言われているのが「瓶焼窯」で、最初の窯が築かれたのはいつなのかわかっていません。正保元年(1644年)に牝小路と葛城の両家が御赦免開の田畑を拝領していることから、この頃御用焼物師を拝領したものと考えられています。現在残っている窯は、明和6年(1769年)に築造されたもので、築窯者は牝小路七代又左衛門、葛城四代安左衛門の両氏とされています。その後、焼くたびに修理されたと考えられるものの、基本的には当時の様相を残しているようです。
瀬上窯は、生産が減少していた小代焼の振興を図ろうと、天保7年(1863年)に御山支配役瀬上林右衛門が自宅に近いところに築窯した殖産窯です。牝小路家の和左衛門はじめ、多数の陶工を雇って大量生産を行い、以降幕末まで小代焼が最も盛んに作られた時代となりました。作調は、端正素直であり、釉薬も鮮やかで白色や青色がはっきりしているものが多かったようです。
この瀬上窯跡のように窯のみならず、陶土の水漉し場やろくろ場の跡など付属する作業場跡まではっきり確認できるのは全国的にも珍しく、近世窯業史上で貴重な遺跡といえるものです。

 

指定年月日/指定数

平成3年11月15日/2基

 
 

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