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田んぼダムの取り組みについて

2024年6月6日

南関町での「田んぼダム」の取り組みについて

 熊本県では、令和2年7月豪雨によって甚大な被害を受けたことをきっかけに、「緑の流域治水」の一環として、「田んぼダム」の取り組みを推進しています。南関町でも、関川の洪水被害や、災害時の水路等への悪影響が発生していることを受け、農地の維持や地域の連携を目的として活動する「保全隊」での実施を中心に、この取り組みを推進しています。

「田んぼダム」とは?

 田んぼはお米を作るための施設として作られていますが、その中に稲を育てるために必要な「一時的に水を貯めておく」という機能をあわせ持っています。この水を貯めておく機能に注目し、河川や水路から水が溢れる洪水被害を予防、軽減する取り組みを、「田んぼダム」の取組みといいます。

・具体的には・・・

 洪水被害の発生原因の一つに、短い時間に多量に降った雨が、一気に河川などに流れ込むことが挙げられます。河川や水路はもともと山や平地も含めた地域の水を集めやすいつくりになっているため、大雨が降ると水かさが急激に増え、洪水被害や施設の破損被害が発生するのです。その対策として、田んぼに降った雨を一時的に貯め、緩やかに排水することで、河川などに一気に流れ込まないようにするのが、田んぼダムの取組みです。取り組む田んぼが多くなればなるほど、貯められる水の量が増え、防災機能が高まります。

田んぼダムに取り組める田んぼの条件

 田んぼダムの取組みを行うためには、いくつか条件があります。

必ず必要なもの

1 :田んぼダム専用のせき板、または田んぼダム専用の排水桝

・・・田んぼからの排水速度を緩やかにする器具で、田んぼダムの取組みに必ず必要です。

田んぼダム写真.jpg

2 :十分な強度と高さ(約30cm程度)のある畦畔(あぜ)

・・・田んぼダムでは、一時的ではありますが、通常の稲作で貯める量より多く水が貯まることも考えられます。そのため、畦畔が細く弱っていたり、低くなっていると、削れたり水が溢れて崩れる危険性があります。

あったほうが良いもの

・排水機能の高い設備

・・・田んぼの排水機能が高いと、雨が上がったり、河川の水位が下がったりして田んぼダムとしての機能が不要となった時に、水が抜けず農業用機械を入れられないという状況が起こりにくくなります。

農業者の皆様へ(田んぼダムの取組みに関する注意)

 上記のとおり、田んぼダムは地域の防災・減災に役立つ取組みです。また、農林水産省が公表している実証実験結果によれば、水稲の品質、収量への影響はないとされています。その一方で、いつもよりも排水速度が落ちる、水が多く貯まる、という特性上、農地の条件や耕作の状況よっては営農への悪影響が出る可能性もあります。

例えば・・・

1:畦畔が弱っている田んぼや、棚田のように高低差のある田んぼ

・・・田んぼに貯まった水や溢れた水で畦畔が削られ崩壊したり、法面が崩れ下の田んぼへの悪影響が発生する恐れがあります。

2:転作をしている田んぼ

・・・大雨の際には水位が上がり、雨が止んだ後もしばらく水が残るため、作物によっては湛水害、冠水害、湿害などを受ける原因となります。

3:排水機能が弱い田んぼ

・・・雨が止んだ後もしばらく水が残るため、地面が乾かず農業用機械を入れる時期が遅くなる場合があります。

上記の内容を踏まえて、耕作をしていない時期だけせき板を設置するなど、「無理なくできる範囲」でご協力いただければ幸いです。

詳しい資料や案内はこちらから(外部リンク)

・農林水産省:流域治水の取組

リンク:https://www.maff.go.jp/j/nousin/mizu/kurasi_agwater/ryuuiki_tisui.html

・熊本県:『田んぼダム』の取組みの推進

リンク:https://www.pref.kumamoto.jp/soshiki/85/162369.html

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