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【町長室】南関町施政方針

2017年10月11日

 平成29年 第1回南関町議会定例会の開会に当たり、平成28年度補正予算案、平成29年度当初予算案、その他諸議案のご審議をお願いたしますとともに、施政方針を申し述べ、議員の皆様並びに町民の皆様に一層のご理解とご協力をお願い申し上げる次第であります。

 まず、年末の最後の最後に、本町において、県内2例目となる高病原性鳥インフルエンザが発生し、鶏9万羽余りを殺処分し、様々な防疫措置を行いました。想定されていた最短ペースである1月21日午前0時を上回る19日午前0時に終息宣言が出されたことにより、移動制限区域が解除されることとなりました。
 町では、「南関町鳥インフルエンザ防疫対策本部」を立ち上げ、3回の対策本部会議を開催し、事態への対応、情報の共有等を図ったところであります。
 関係機関の皆様のご理解とご協力があり、早期解決に繋がったものであると、心からお礼を申し上げる次第であります。
 予め、対策マニュアルを作成し職員研修を実施していたものの、改めて、初動の重要性を認識させられました。
 今後も、早期の解決に向けて県との連携も含め、更に徹底した危機管理体制を整えて対応をしていきたいと考えております。

 さて、昨今の国の動向を見てみますと、2017年度の予算案では、歳出規模が5年連続で過去最大を更新している中で、年々縮減状況にはありますが、依然として国債依存度は35%と借金漬けの状態であり、財政健全化の指標としている基礎的財政収支(プライマリーバランス・PB)の将来試算も悪化しております。
 安倍首相は、17年度予算案を経済再生と財政健全化の両立を実施する予算とし、「成長と分配の好循環を強化するもの」とされておりますが、政府目標の達成はきわめて厳しい状況にあり、このことによる地方への影響がどうなるかが一番心配であります。

 また、関係国との協議が続けられてきたTPPの問題も、トランプアメリカ大統領の就任により、完全に方向転換がされたために、今後は、二国間協議などの動きも想定される中で、以前に増して厳しい交渉になると予想されます。
 既に、自動車産業をはじめとする製造業においても、アメリカへの工場建設による雇用の創出を要望されており、多くの企業を巻き込むことにもなるので、景気が減速することがないような国の対応を期待するところであります。
 国においては、一億総活躍社会の実現に向けた地方創生のための施策が続けられており、まち・ひと・しごと創生事業費は、引き続き1兆円が確保されることになりますが、地方が輝くまでには至っておらず、地方が将来に向けた力を発揮するためには、国の更なる支援が必要であると考えます。
南関町においても、「南関町人口ビジョン」および「南関町まち・ひと・しごと創生総合戦略」を中心に、将来に活かせるような様々な事業を引き続き展開することにより、町全体の活性化に繋げていかなければならないと考えております。
 また、「南関町まち・ひと・しごと創生総合戦略」については、各事業の検証及び見直しを行うため、検証委員会を設置し、2060年の将来人口展望7,500人の達成に向けた検証委員会を開催しており、今後も、本委員会において事業の進捗管理を行い、見直しの必要性や目的に合った事業の遂行が行われているかを検証していただくこととしております。

 都市部を除く全国の自治体で人口減少が進行する中で、町の継続的な発展のためには、行財政改革による無駄の排除、更なる自主財源の確保に努めなければなりません。
 特に、平成29年度は国全体の地方交付税配分額の減額が予想されるため、柔軟に対応できる財政構造を構築し、中・長期的な計画を見据えた事業の展開が必要となります。

 このような厳しい状況の中にあってこそ、地域住民の皆様方が安全安心で心豊かに暮らせるような質の高い行政運営を行っていくことが望まれており、信頼される自治体として、分権時代にふさわしい質の高い行政サービスを提供していかなければならないと考えております。
 本年度は、熊本地震後の復興に向けた国県の動き等も含めて柔軟かつ弾力的に対応しつつも、最小の経費で最大の効果を上げることができるような事業を推進するとともに、地域住民の皆様の安全・安心な生活の確保と住民福祉の向上に努めて参ります。

 そこで、今回ご提案申しあげております平成29年度一般会計予算でございますが、歳出全般にわたり細部までの検討を行い、経営の効率化、コストの削減を念頭におきながら歳出の抑制と重点化に努め、目的に沿った費用対効果を重視し、重要政策課題に重点を置いた編成を行ったところでございます。

 平成29年度南関町一般会計予算の総額は、5,638,401千円で、昨年度と比較しますと、280,317千円の減額で、4.7%のマイナスとなっております。
 減額となりました主な要因は、土木費・道路橋梁費の事業の優先順位を検討した結果の減によるものであります。

 その他の議案の提出については、条例等の一部を改正する条例の制定が5件、平成28年度一般会計補正予算のほか各特別会計の補正予算が9件、平成29年度の各特別会計の予算が7件、業務委託変更契約の締結についてが1件、町道の路線認定が3件、同じく廃止が2件を提案しています。
 ご審議のうえ、ご承認賜わりますようお願い申し上げます。

 それでは、平成29年度の主要な施策について申し上げます。

 まず、総務課関係では、今後一層の事務の効率化、合理化を図るとともに、職員の研修等を強化し、住民から信頼される職員となるべく、資質向上に努めます。
 また、人事交流等も含めた職員の能力向上及び組織力の向上にも努めて参りたいと考えております。

 区長制度については、小規模行政区の再編・統合を図るとともに、当該地域に在住のすべての住民を区民とし、「自主防災組織」の活動強化など、地域が一体となった組織を目指し、将来的には、全世帯の自治会加入を目標にしたいと考えております。
 また、町職員による地域づくり応援職員制度を定着させ、行政への住民参加と、公共的活動への参加の協力体制の実現を図ります。

 公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設の早急な再編計画の策定と推進を図り、資産の有効活用と整理に努めます。
 人事評価制度については、28年度から本格的な実施となりましたが、職員の人材育成に係る意識改革を行うことを目的とした人事評価を行い、職場全体の総合力の向上にも繋げたいと考えております。

 ふるさと応援寄付金については、ふるさと応援団との連携を図りながら、全国の南関町を応援してくださる方々に情報発信を強化し、更なる寄付金の増加を目指します。

 次に、まちづくり課関係では、昨年4月より、「第2期住んでよかったプロジェクト推進事業」として、「子どもインフルエンザ予防接種の助成」、私の公約の一つでありました「ファミリー・サポートセンター事業の開始」、「家庭内保育世帯へ応援金の支給」など4事業を加え、これまで取り組んでいた事業も含め18事業を新たにスタートさせましたので、更なる子育て支援、定住対策を図って行くこととします。
 転入希望者からの要望が多い「空き家バンク事業」も、区長さんをはじめ、関係者との調整を積極的に行い、受け入れ態勢の強化を図ります。
 また、現在、地域おこし協力隊員を2名募集しており、外部からの目で南関町を見ていただき、新しい取り組みの企画立案を通して地域活性化のための情報発信、農林産物等の活用研究、商品開発等を担当していただき、更には本町に定着し、地域の要となっていただきたいと考えております。
 グリーンヒル二城の分譲については、現在、16区画中6区画の契約を締結し、残り10区画の契約に向けて、町外にお住まいの方や町内企業等にも幅広いPRを行い、早期分譲ができるように努めて参ります。
 一昨年の10月から試験運行しております予約型乗り合いタクシー事業については、現在、利用登録者が1,300人を超え、利用者も1日平均30人程となっており、月を追うごとに増加しております。
 本年4月からは、地域公共交通協議会の承認を受け本格運行することとしており、交通弱者の更なる利便性の向上を大いに期待しているところです。
 このことから、既存の公共交通の在り方についても、住民の皆様の声を聴きながら、総合的に検討していきたいと考えております。

 平成28年度は、国の地方創生加速化交付金を活用し、物産振興会を設立して「ふるさと応援団事業」に取り組みました。
 事業の成果としては、本町の特産品や農林産物等を広くPRすることができ、ふるさと応援寄付金も全国から予想を上回る多くの寄付が寄せられ、この寄付金を旧石井邸の保存整備事業に活用させていただくこととしております。
 また、地方創生拠点整備交付金も本年2月に交付決定の内示を受け、29年度へ繰越して加工品開発センターを建設することにしており、多くの関係者に活用していただき、地域資源を活用した新商品や新たな特産品の開発等の展開を期待しております。

 昨年8月には、玉名市を中心市として、玉東町、和水町、南関町が、それぞれ議会の議決を経て、玉名市との玉名圏域定住自立圏形成協定を締結しました。
 本年度は、共生ビジョンを基に各分科会が動き出すことになり、各分野での連携事業がスタートしますので、先に連携しておりました有明圏域定住自立圏とともに、地域の活性化及び住民の利便性の向上に向け推進を図って参ります。

 庁舎等の建設については、27年度に庁舎等検討委員会から建設候補地について、南関高校跡地を第一候補地とする提言をいただき、28年度には、庁舎等の建設に向けた庁舎等建設委員会を設置しました。
 本年3月に基本構想を策定し、本年度中に基本計画及び基本設計を策定することとしております。
 計画の内容としては、庁舎等を含めたコンパクトシティの形成を図り、町民の皆様に喜んでいただける利便性に優れた施設整備を進めていきたいと考えております。

 企業立地等の動きについては、平成27年度に調印した既立地企業の工場増設に係る4社の内、冨士ダイス(株)熊本製造所、(株)荏原製作所精密・熊本工場の2社が既に竣工式が行われ、エイティー九州(株)は、建屋の完成後に設備を投入される計画であり、FWAVE(株)については、当初計画よりも拡張した工場建設を6月頃から進められる計画となっております。
 また、28年度に工場移転に係る調印を行いました(株)橋本製菓も本年6月竣工に向けて新工場の建設が着々と進んでおります。
 さらに、議員の皆様、町民の皆様にもご心配をお掛けしておりましたバンブーフロンティア(株)、バンブーマテリアル(株)については、本年11月操業開始に向けて準備が進められており、3月20日に起工式が計画されており、バンブーエナジー(株)は、平成30年11月操業に向け準備が進められております。
 本事業により、荒廃竹林の整備や雇用の創出拡大等に期待をしているところであり、引き続き、庁内の横断的連携により企業と竹林所有者との調整・協議等の支援を行いたいと考えております。
 今後も、更なる企業の誘致、既立地企業の増設を促進するとともに、立地企業の支援に努めて参ります。

 次に、税務住民課関係では、自主財源の根幹となる町税の確保を図るため、申告、納税の啓発を強化するとともに、公平性の視点から滞納者に対して実態調査の実施と捜査・差押えの強化及び県との併任徴収委託契約を継続し、併せて合同公売会、不動産公売会、インターネット公売を実施し、滞納者への徴収強化及び収納率向上に努めます。

 町の環境美化に向けては、「南関町環境美化に関する条例」を制定し、「地域環境美化促進計画」に基づいて、清潔で美しい町づくりを目指して、住民の協力により美化活動を全町で実施しているところであります。
 また、ゴミ減量化に向けた取り組みとして3Rを徹底し、循環型社会の構築に向けた環境美化意識の高揚を図るための総合的な啓発活動を行って参ります。
 更に、温室効果ガスの排出抑制のための措置として、平成28年7月1日に熊本県では初めて、地球温暖化対策を目的に国が推進する運動である「クールチョイス」への賛同を宣言しましたので、温暖化防止に向けて、より一層の取り組みを推進します。

 次に、福祉課関係では、平成28年度に策定した南関町地域福祉計画に基づき、「誰にでもどんなときにもやさしいまちづくり」を基本理念に、高齢者・障がい者支援等の各種福祉施策に取り組むとともに、人権啓発の推進に努めて参ります。
 子育て支援関係では、前年度から開始しました「ファミリーサポートセンター事業」の利用促進、子育ての包括的な支援を行うための子育て世代包括支援センター事業の開設など、更なる支援の充実を図って参ります。
 介護保険事業では、平成29年4月から新しい総合事業が始まりますので、円滑に事業を移行し、予定しています地域密着型介護施設1か所の整備や、これまで取り組んできています介護予防事業の強化を地域包括センターと連携しながら進めて参ります。
 国民健康保険は、平成30年4月からの新制度施行、県による財政運営への移行に向け、町として必要となります関係例規の整備、財政の健全化等に取り組み、準備を進めます。
 また、保健センターとともに、保険事業の充実を含め、疾病の早期発見、治療に繋がる各種健診の受診勧奨等による健康づくりの推進に努めます。

 次に、経済課関係ですが、本町の基幹産業であります農業は、就農者の高齢化や後継者不足、耕作放棄地の増加など、依然厳しい状況にあります。
 このような中、引き続き圃場整備を推進することにより、農地の集約や営農組織の設立に繋げ、コスト削減を図りながら、担い手農家の確保、農業所得の向上に努めて参りたいと考えております。
 また、有害鳥獣対策につきましては、防護柵の設置補助等を行いながら、農業者の狩猟免許の取得及び猟友会への加入促進等組織強化の支援を行って参ります。

 町特産品や農産物の販路拡大については、南関ふるさと応援団との連携により、ふるさと納税の返礼品が全国各地に発送され、南関町のPRに一役買っており、また、農業者や商業者の所得向上にも繋がり、今後も意欲的な生産活動を期待しているところであります。

 先日開催されました陶器・梅まつりは、天候にも恵まれ、町内はもとより町外からの集客があり、賑やかなまつりとなりましたことは、実行委員各位のご尽力によるものと感謝いたしております。
 今後につきましても、ふるさと関所まつりとともに、イベント内容を検討しながら、大牟田市、玉名市を中心市とする定住自立圏の構成市町及び長崎県島原市等と広域連携を強化し、PR活動や相互出店を図り、観光客の誘致に努めます。

 旧石井邸(白秋生家)の保存整備については、本年度にヘリテージマネージャーに古民家再生のための調査・助言をいただくようにしており、ふるさと納税の状況を見ながら、文化遺産を活かした観光振興や地域活性化に向けた整備の方法等を検討していきたいと考えております。

 次に、建設課関係ですが、まず、道路、橋梁等の維持管理で、町道の舗装については、維持管理修繕計画に基づき北辺田・野田線等の修繕工事を行い、橋梁については、長寿命化修繕計画により、賢木細永地区の第一庄寺橋の補修工事を行うこととしております。
 トンネルについては、松風トンネル坑口の補修工事を行う計画としております。
 町道改良工事等については、本年度は、町道米田~鬼王線のエコアくまもとから町道鬼王・大場線までの新設改良工事を完了させ、次期予定である臼間工区の測量設計を行い、その他、町道関村~田原線、米田~大場線、小原~馬立線、草村~高久野線、野中~出登線についても継続して工事を行う計画であります。
 また、下水道事業については、今年度、乙丸地区の管工事を行うこととしております。
 県工事としては、関川の河川改修に伴う八重丸堰の撤去、県道大牟田・南関線(落合の狭所部分)の用地取得、北開地区の急傾斜対策事業をはじめ、国・県道の歩道整備や改良事業に取り組む計画であります。

 最後に、教育課関係では、未来を担う子どもたちの教育環境整備の一環として平成27年度中学校、平成28年度小学校4校の各教室にエアコンを設置したところですが、本年度は、施設の安全性を図るため、一小及び二小の屋内運動場のつり天井改修工事に取り組むこととしております。
 両校の施設とも、災害時には避難所として指定されていますので、改修により安全性を更に高めたいと考えております。

 幼児英語教育事業については、グローバル社会の進展の中で、英語の重要性が益々高まっており、幼児期から英語に親しむことにより、小学校、中学校における英語教育の一貫した指導システムの構築、英語教育全体の抜本的充実のための施策を講じることとしています。

 町の宝である子どもたちの豊かな成長のためには、地域社会総掛かりでの教育の実現が不可欠であります。
 そこで「地域とともにある学校づくり」が必要となることから、本年度は、その核となるコミュニティ・スクール(学校運営協議会)の導入促進を図って参りたいと考えています。
 また、スポーツ関係として5月20日(土)、21日(日)には、「第11回全国スポーツクラブ会議in熊本なんかん」がセキアヒルズで開催されます。
 この催しを機に、町のスポーツ推進の更なる発展と町民の健康増進活動に繋げていきたいと考えております。
 なお、当日は、全国から800名を超える参加が見込まれており、南関町の情報を全国発信させたいと考えています。

 また、地域住民の皆様方のご意見やご要望を伺うための地域懇談会を毎年開催しておりますが、本年度も引き続き開催するとともに、町政に対する理解を深めていただくための「南関町協働のまちづくり出前講座」についても積極的に計画していきたいと思います。

 以上、申し上げてきましたが、これらの事業を推進していくには財政基盤の確立が最重要課題であります。
 このためには、これまで以上に行財政改革を進め、徹底的に無駄をなくし、あらゆる経費の縮減を図るとともに、事業の推進につきましては、それぞれの事業の重要性・必要性をかんがみ、優先順位をつけながら着実に事業を展開していく考えでございます。

 最後に、町職員の意識改革についてですが、職員の一人ひとりが、地域住民の皆様の意見や要望を理解し対応できるように、各業務においても、それぞれが、町の中・長期的なビジョンを描き、それを実現する体制づくりを推進していきます。

 このような重点施策を中心に、引き続き、「産み育てやすい環境の整備」「住む場所と働く場所の確保」「高齢者や障がいがある方も安心して暮らせる環境の整備」を町づくりの3本の柱として、地域住民の皆様の声を反映できる開かれた行政運営に取り組んで参る所存でございます。
 今後とも、なお一層のご支援・ご協力を賜りますようお願い申し上げまして、平成29年度町政運営の施政方針とさせていただきます。

 

 

平成29年3月10日

南関町長 佐 藤 安 彦
 
 

 

 

 

 

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