防災体制の確立と防災意識の高揚に向けて
南関町では、令和4年に新庁舎を核とした防災拠点施設を新たに整備し、それに合わせ5年ぶりとなる総合防災訓練を実施しました。訓練の目的は、災害対策基本法、南関町地域防災計画に基づき、南関町及び関係機関並びに地域住民が一体となって実効性のある訓練を実施し、防災体制の確立、防災意識の高揚による危機管理体制の確立を図ることを目的とし、震度6強の地震が発生したことを想定し、災害対策本部の設置から、避難訓練、救出訓練、炊き出し訓練等を行いました。
この訓練は、関係機関との連携強化も目的としており、県、消防、警察、自衛隊、消防団、社会福祉協議会、地域婦人会、防災士の会、自主防災組織など多くの関係機関にご協力いただきました。
【荒尾消防署】 | 【陸上自衛隊第8師団第42即応起動連隊】 |
【南関町消防団】 | 【熊本県防災消防航空隊】 |
訓練の概要
南関町役場敷地内にある防災広場及び荒尾消防署南関分署建屋等を利用し、自衛隊による救出救助訓練や、消防による救急救命訓練を始め、梯子車や熊本県防災消防ヘリコプターによる孤立者救助訓練を行いました。
また、指定避難所登録の施設である「南の関うから館」では、炊き出し訓練や、防災関連写真等の展示、熊本県危機管理防災課による防災関連講話を行いました。
救出救助訓練、救急救命訓練
陸上自衛隊による人命救助システムを使用した救出救助訓練、荒尾消防署南関分署による救急救命訓練が実施されました。
(1)南関町からの要請により自衛隊が出動! ※自衛隊は「緊急性・公共性・代替性」の条件が揃ったとき出動を要請します。 |
(2)要救助者のもとへ向かうため、障害物の撤去! ※チェンソーの使用は、キックバック等の危険性があります。業務上使用する場合は、法律で定められた特別教育の受講が必要です。私用で使用する際も注意! |
(3)要救助者は瓦礫の下敷きに…。クラッシュ症候群を防ぐため、医師の具体的な指示により救急救命士により医療行為が行われる |
(4)危険な箇所からの運搬 | (5)心肺停止傷病者への救急救命措置 | (6)搬送 |
※クラッシュ症候群は、瓦礫(がれき)などに長時間挟まれ、その後、圧迫から解放されたときに起こります。
もし、皆さんが救助を行うときは、不用意に引きずりだしたり、負傷者の意思を無視して急激に動かしたりしないように注意しましょう。
また、救出後には速やかに医師の診察を受けることが必要です。
孤立者救助訓練
荒尾消防署による、はしご車を使用した孤立者救出訓練が行われました
(1)通報により、はしご車が出動! | (2)救助のため速やかに準備 | (3)隊員は救助者のもとへ |
(4)要救助者に安全器具の取付け。安全確認。 | (5)はしご車へ乗り再度安全確認 | (6)救助 |
孤立者救助訓練
荒尾消防署、熊本県防災消防航空隊による防災消防ヘリコプターを使用した孤立者救助訓練が行われました。
(1)熊本県防災消防ヘリコプターが要請により出動! ※本町へは、出動から10分ほどで到着します |
(2)出動に合わせ風向きの確認! ※風上からヘリコプターが侵入するため、消防隊員が風下に立つそうです! |
(3)ヘリから隊員が降下! |
(4)救出 ※ヘリコプターによる救出は、特に安全確認が必要です。隊員は細心の注意を払って安全確認をしていました。 |
(5)救助後に、防災広場に着陸 ※後ろのプロペラに巻き込まれることもあるので、完全に止まるまで、ヘリコプターには近づいてはいけません。 |
(6)熊本県防災消防航空隊員により熊本県防災消防ヘリコプターの説明をしていただきました。 |
各種訓練等
(1)煙体験 ※火事の煙で、どのくらい視野が悪くなるか体験できます。障害物につまずき転倒しないように、避難路に物を置かないなど、万が一の事態に備えましょう。 |
(2)消火体験 ※火災現場で行われる防水ポンプの使用体験を行いました。消防職員と接する機会は、子どもたちにとって良い体験になったと思います! |
(3)消火器使用体験 ※火事が起きた時に、「消火器の使用方法がわからない」、「消火器の場所がわからない」とならないように、場所の確認や使用の練習をしましょう! |
(4)自衛隊や消防による各種展示 災害の記憶を風化させないためにも、熊本地震や東日本大震災、令和2年7月豪雨の展示をおこないました。 |
(5)警察による避難者誘導 避難所の巡回を含め、被害の確認や、避難者の交通安全等の活動が行われました。 |
(6)南関町消防団による情報収集訓練 ※消防団長の指示のもと、積載車による町内巡回が行われ、消防団各部により被害報告が行われました。 |
(7)避難所運営訓練 南の関うから館では、南関町職員が避難所運営訓練を実施しました。 |
(8)炊き出し訓練 自衛隊、南関町消防団、社会福祉協議会、婦人会の協力により南の関うから館芝生広場で炊き出し訓練を行いました。 |
(9)地区防災計画ワークショップ・防災講話 熊本県危機管理防災課、南関町防災士の会のご協力により、熊本地震からの教訓についての講話や地区防災計画ワークショップを行いました。 |
他にも8時30分の訓練開始の防災行政無線の放送に合わせ、自主防災組織によっては各自避難訓練を行われていました。
訓練の成果
防災行政無線の合図等により、各自主防災組織による避難訓練や、災害対策本部での図上訓練、自衛隊等の派遣要請など、災害を想定した実践的な情報伝達手段の確認が出来ました。
また、住民の皆様や消防団からは「自衛隊や消防の活動は災害時のシュミレーションとして勉強になった」「普段は見ることが出来ない自衛隊や消防による活動は、防災について改めて考える機会になった」等のご意見をいただきました。